コレクション・ギャラリー

平成27年度 第2回コレクション展(計135点)

会期
2015(平成27)年6月6日(土)〜 8月16日(日)
前期:6月6日(土)〜 7月12日(日)
後期:7月14日(火)〜 8月16日(日)

概説

 今年度第2回目となるコレクション展では、3階企画展会場で開催される「北大路魯山人の美 和食の天才」展や季節にちなんだテーマに沿った展示を行っています。
 「食器は料理の着物」とは、北大路魯山人のよく知られた言葉ですが、3階企画展の展覧会タイトルからもわかるように、この「食器」はいわゆる「和食器」を指しています。「絵のなかのうつわ」と題した展示では、翻って、「洋食器」と絵の関係を紹介しています。西洋絵画の伝統において、「食器」は、「最後の晩餐」や「カナの婚礼」などを主題とした宗教画や市井の人々の食事風景を描いた風俗画、ないしは静物画の中に描かれてきました。しかし画中において、前者が「使われているうつわ」であるのに対し、後者は「使われていないうつわ」、まさに「静物(nature morte=死せる自然)」にほかなりません。このセクションでは、絵のなかにおける「うつわ」の対比的な在り方をご覧いただきます。
 「食器は料理の着物」とは、「料理」は「食器」で「装う」べし、という意味であるとも考えられます。着衣が人間とそれ以外の動物とを区別する基本的要素なのであれば、食べ物をうつわに盛ることも、人間とそれ以外とを区別する重要な行為であるからです。人間が原初から持っているこの「装う」ことへの欲求に注目した展示を、工芸のセクションで行っています。様々な技法や文様で飾られた布やうつわでもって、身体や生活を装う、いわば「装う(=装飾)」という欲望の相関関係を、個人の生活を彩った芝川照吉コレクションからの作品を中心とした展示作品の中に探ります。河井ェ次郎のコーナーでは、昭和10(1935)年前後、ェ次郎が民藝運動に深く関わり、パリ万博受賞作など優品を次々と産み出していた時代を特集しました。

   小倉建亮《訪問着 サファイア》1964年
  小倉建亮《訪問着 サファイア》1964年

 「装う(=装飾)」というキーワードは、「オールオーバーな抽象絵画」にも引き継がれていきます。別掲の解説パネルにもあるように、絵画画面における伝統的な物語性や遠近法(架空の三次元性)を捨象することで、戦前の「非対象絵画」さらには戦後の「オールオーバーな抽象絵画」は生まれました。色や線で覆われた二次元の物質としての絵画の在り方、これまでとは全く異質な絵画の状態を批判する言葉として当初用いられたのが、まさに「装飾」的という言葉でした。今回の展示では、その事例をコレクションから紹介します。
 日本画のセクションでは「夏の日本画」と題し、前期には、千種掃雲《上賀茂の初夏》や福田平八郎《鮎》といった初夏の風景・風物が描かれた作品を展示しています。後期には作品を入れ替え、盛夏を主題とした不動立山《夕立》や丸岡比呂史《夏の苑》などを紹介します。同時に没後70年を記念した、橋本関雪の特集展示も行っています。漢籍に造詣が深く、中国古画の伝統と四条派の技法を基礎に、西洋絵画にも学んだ関雪の初期から晩年にいたる画業を、前期・後期の二回にわけてご覧いただきます。

   橋本関雪《木蘭詩》より 1920年
   橋本関雪《木蘭詩》より 1920年(前期展示)

 写真のセクションでは、三年前に惜しくもこの世を去った東松照明の作品を特集しています。今回は、ひとつの都市に焦点をあてて制作された晩年の「マンダラ」シリーズから、長崎・沖縄・京都を主題とした作品を選んでいます。その地に根付く宗教行事の情景が多く採り上げられ作品に、鮮やかな色彩と光のコントラストのもと写し取られているのは、市井の生活において、過去と現在、聖と俗が混じり合う濃密な空気です。終戦70年の節目の年、京都において先祖の霊を送る「五山の送り火」が行われる日に最終日を迎える今回のコレクション展で、色々なことを感じて頂ければ幸いです。

主なテーマ
絵の中のうつわ
没後70年記念 橋本関雪特集
初夏の日本画
東松照明の写真
装うための工芸
河井ェ次郎 作品選 ―川勝コレクションより
オール・オーバーな抽象絵画
屋外彫刻

展示作品

平成27年度 第2回コレクション展 展示目録(前期)
平成27年度 第2回コレクション展 展示目録(後期)

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