コレクション・ギャラリー

コレクション・ギャラリー2014(平成26)年度 第4回展示(後期)

会期
2014年9月3日(水)〜 11月30日(日)
前期:9月3日(水)〜 10月19日(日)
後期:10月21日(火)〜 11月30日(日)

概説

 第4回コレクション展も、3階企画展会場で同時期に開催される「ホイッスラー展」に関連する展示を行っています。会場入口すぐの場所では、「キュレトリアル・スタディズ07:日本近代洋画と浮世絵−鏡としてのジャポニスム」と題し、京都大学人文科学研究所の高階絵里加准教授と当館研究員による共同研究をご紹介しています。日本の美術・工芸品が19世紀後半の欧米で一大ブームを巻き起こし、新たな芸術動向に大きな影響を与えていたことは、当時の日本にも報告されていました。西洋絵画の技法取得に腐心していた洋画家たちが、欧米におけるジャポニスムを介して、自らの芸術をどのように模索したのか、浮世絵との関わりを手がかりに考えます。
冨田渓仙《浜町夕照》1919年
     冨田渓仙《浜町夕照》1919年
 日本画は、前期には「秋の日本画」と題した展示を行っていましたが、後期は、生誕135年を記念して冨田渓仙の作品をまとめてご紹介します。1879(明治12)年、福岡に生まれた渓仙は、18歳のときに画家を志して来洛し、都路華香に師事して四条派を学びます。しかし独自の画境を求めて、仏画や南画さらに西洋絵画をも研究し、院展を中心に活躍しました。当館では、文展に初入選し渓仙の出世作となった《鵜船》をはじめ、自宅のある嵯峨を題材として描いた《嵯峨八景》のうち唯一現存している「愛宕暮雪・浜町夕照」や、晩年の代表作《万葉春秋》まで約20点の渓仙作品を所蔵しています。今回の展示で、自由闊達な描線と鮮やかでありながら柔らかな品格をもつ色彩、そして漢詩や仏教説話などに関する深い知識に裏付けられた豊かな表現という、渓仙芸術の魅力を改めてご堪能下さい。
 通常写真や版画作品が展示されているエリアでは、今回「関西の現代美術」と題した展示を行っています。これは、開館50周年を迎えた昨年から時系列で当館の洋画の名品をご紹介するシリーズの最後となります。ご紹介しているのは関西に縁のある作家たちですが、その多くは若き日に、当館開館時から1970年代初めにかけてシリーズとして開催された「現代美術の動向」展に出品しています。当館では、可能な限り当時の出品作品を収蔵することに努めていますが、それは自らの美術館活動を検証することに他なりません。
富本憲吉 《きつねのかみそり》 1914年
富本憲吉 《きつねのかみそり》
1914年
 陶芸では、「イギリスへのあこがれ」と題し、戦後のイギリスを代表する陶芸家、ハンス・コパー、ルーシー・リーそしてバーナード・リーチの作品を紹介しています。また、ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動に刺激され、1908(明治41)年にロンドンに留学した富本憲吉が、日参したヴィクトリア&アルバート博物館で描いた数多くのスケッチと、その影響が見られる作品を展示しています。
 ホイッスラー展の章構成にも見られるように、彼が描いたモティーフは主に人物と風景であり、いわゆる静物画を手がけることはほとんどありませんでした。そこで、コレクション展ではあえて「卓上」をテーマに、写真や川上澄生の木版画、長谷川潔や池田満寿夫のエッチング作品、さらには著名な建築家らがデザインしたアレッシ社製の銀器をご紹介しています。
佐伯祐三《裏街の広告》1927年
      佐伯祐三《裏街の広告》1927年
 最後に「特集展示:〈絵画〉の発見−フランス近代絵画の展開」として、コローからホイッスラーと交流のあったファンタン=ラトゥールやモネ、エコール・ド・パリの作家たちにいたるフランス近代絵画の系譜の一端をご覧いただきます。こちらも別途解説を付しておりますので、そちらをご参照下さい。また、そのフランス、パリで学び、活躍した藤田嗣治らの作品も「パリの日本人画家たち」と題して、併せてご紹介しています。

主なテーマ
キュレトリアル・スタディズ07
「日本近代洋画と浮世絵−鏡としてのジャポニスム」
前期:秋の日本画 / 後期:生誕135年記念 冨田溪仙特集
関西の現代美術
陶芸:イギリスへのあこがれ
卓上――【版画】と【その他】コレクションより
パリの日本人画家たち
特集展示:「絵画」の発見−フランス近代絵画の展開
屋外彫刻

展示作品
コレクション・ギャラリー 2014(平成26)年度 第4回展示 展示目録(後期)

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