[特集展示] パンリアル美術協会

期間
2013(平成25)年7月10日(水)〜 9月1日(日)

展示作品
パンリアル美術協会 展示目録

 パンリアル美術協会とは、三上誠、山崎隆、星野眞吾、大野秀隆、下村良之介たちが日本画の革新を目指して1949年に結成したグループです。同年5月には第1回パンリアル展が開催され、その目録には「パンリアル宣言」が掲載されました。「パンリアル」とは三上が考えた名称で、「パン」は「すべて」を意味する「汎(pan)」であり、「リアル」は狭い意味でのリアリズムではなく、現実社会を表現するものであれば抽象的なものもその範疇に含めるという広がりを持った言葉として定義しており、現実社会に根ざしているという立ち位置を表明したものです。当時の日本画では主要なモチーフは花鳥であり、情緒豊かに描くことが好ましいとされていました。そのような様式化された美意識や因習的な徒弟制度によって形成された封建的な画壇に対して疑問を唱え、新たな視点で、新たな表現を目指そうとパンリアル美術協会は結成されたのでした。
 この「パンリアル美術協会」の前身となる「パンリアル」の結成メンバーの中に、鈴木治や八木一夫がいました。パンリアルは日本画、洋画、陶芸とジャンルを問わない総合的なグループとして1948年3月に結成されました。しかし、1948年7月、鈴木治と八木一夫は走泥社を結成してパンリアルを脱退しています。その後、残ったメンバーはジャンルを日本画に限定し、「パンリアル美術協会」という新たなグループ名で活動を始めました。
 本展示では、パンリアルが1948年に開催した京都・丸善画廊での展覧会出品作品、および「パンリアル美術協会」と名称を改めた後のパンリアル展の中でも最初期の出品作品をご覧いただきます。鈴木治と同時代の日本画家たちの作品からは、鈴木治が陶芸において新しい造形表現を求めたように、画家たちもまた新しい表現を模索していたことがうかがえます。戦後、作家たちの間に広がっていた閉塞感を乗り越え、新たな局面へと展開しようとする雰囲気が伝わってきます。


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