コレクション展作家略歴
作家略歴
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岡本信治郎 おかもと・しんじろう
1952年都立日本橋高等学佼を卒業後、独学で水彩画をはじめる。1956年村松画廊において初めての個展をひらき、ヨシダ・ヨシエらとグループ「制作会議」を結成した。少し暗鬱な印象を与える色調は、最初期に固有のものである。1950年代末にジョルジュ・スーラの絵画と出会い、「人も事物も私自身さえも全て平等に、シルエットとして眺める眼」を見出したといわれる。1960年代に入ると岡本自身の画風を確立し、迷いのない簡潔な線描と、水彩アクリル絵具を平塗りした濁りのない明るい色彩による色面構成をとるようになる。現代美術の分野で特に注目されるきっかけとなった第1回長岡現代美術館賞展大賞受賞作《10人のインディアン》連作(1962-65年)のように、このころからユーモラスな形態のなかにニヒルさを込めたシリーズの制作を手がける。選ぶ主題は下町の大衆文化から美術、宗教、歴史など幅広く、次第に水彩画だけでなくリトグラフやシルクスクリーン、立体絵画、オブジェと、様々なジャンルへと広がっていく。近年においても、自身の戦争体験と9.11テロをテーマにした連作を発表するなど、岡本の作品は常に社会とともにあり、ユーモアのなかに社会への評言を客観的な視点をもって提示し、本人が語るとおり「見る絵画・読む絵画・笑う絵画として機能する」のである。
1933年(昭和8)-
1933年 | 東京に生まれる |
1952年 | 都立日本橋高等学校卒業 |
1955年 | 日本水彩画会展(東京都美術館)出品、白滝賞受賞 |
1956年 | 日本アンデパンダン展(東京都美術館)出品、以降主に読売アンデパンダン展に出品 凸版印刷株式会社に入社、以後アート・ディレクターとして26年間勤務 初個展「岡本信治郎水彩画展」(村松画廊、東京) |
1957年 | 制作会議第1回展(日比谷画廊、東京)出品、以降第2回展(文春画廊、東京)出品 |
1958年 | 二紀展(東京都美術館)出品、佳作賞受賞 |
1962年 | 個展(櫟画廊、東京)以降夢土画廊、サトウ画廊、東京画廊で1967年まで毎年個展開催 シェル美術賞展(白木屋デパート、東京)出品、佳作賞受賞(1963年佳作賞受賞) |
1964年 | 第3回日本国際青年美術家展(西武デパート、東京)出品、美術出版社賞受賞 「現代美術の動向 絵画と彫塑」展(国立近代美術館京都分館)出品 第1回長岡現代美術館賞展(長岡現代美術館)出品、大賞受賞 |
1965年 | 「現代日本美術の15人」展(チューリヒ市立美術館、スイス)出品 「現代美術の動向 絵画と彫塑」展(国立近代美術館京都分館)出品 |
1966年 | 第7回現代日本美術展(東京都美術館ほか)出品、以降1969年フロンティア賞受賞 |
1968年 | ジャパンソサエティの招聘によりニューヨークに半年間滞在、その後ヨーロッパ旅行 |
1975年 | 第11回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ展(リュブリアナ、旧ユーゴスラビア)出品 |
1979年 | 個展「岡本信治郎の世界・25年のあゆみ」(池田20世紀美術館、静岡) |
1981年 | 「1960年代―現代美術の転換期」(東京国立近代美術館、京都国立近代美術館)出品 |
1984年 | 第11回イビサ国際版画ビエンナーレ(イビサ現代美術館、スペイン) |
1988年 | 個展「岡本信治郎の世界展『東京少年』」(新潟市美術館) |
1996年 | 個展「笑うパノラマ館」(神奈川県立近代美術館) |
2001年 | 個展「岡本信治郎の世界展 ころがるさくら―笑う雪月花―」(池田20世紀美術館、静岡) |
2011年 | 個展「岡本信治郎展 空襲25時」(渋谷区松濤美術館) |
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