作家略歴

麻田浩 あさだ・ひろし

 同志社大学経済学部在学中に、新制作協会の新鋭であった桑田道夫に師事し、油彩画の基礎を学ぶ。激しい行為や素材の物質性を強調したいわゆるアンフォルメル風抽象絵画の作風のなかで、アスファルトや紙粘土をも素材として油絵具と混在させるなど自由な表現を模索する。1965年に当館で開催した「現代美術の動向 絵画と彫塑」展に出品され、現在当館所蔵の《作品C》(1965年)もその作品のひとつ。1960年代半ばになると、無機的な抽象構成と手や足などの有機的形態とを融合する「半具象」のイメージを追及するようになり、更にはシュルレアリスムの表現世界へと進んでいく。1971年、「画家の道を求めて」フランスに渡り、パリにアトリエを構える。翌年、版画研究所を主宰していたジョニー・フリードランデルのもとで色彩銅版画をはじめる。これらの銅版画作品はヨーロッパで高い評価を得、絵画制作も徐々に軌道に乗り始めるなかで、1973年頃から風景画を手がけ、これが後に麻田の画業を象徴する主題のひとつとなる「原風景」作品へと導く。また11年間にわたるヨーロッパ滞在が、キリスト教的、宗教的主題への関心をもたらす。肝炎発症による体調不良により日本に帰国後も、京都のアトリエを拠点に密度の高い心象風景を描き出す制作活動を深めていったが、心と身体の疲労甚だしく、1997年京都市龍安寺のアトリエで自ら命を絶った。

1931年(昭和6)− 1997年(平成9)

1931年京都に生まれる
1954年第18回新制作協会展(東京都美術館)出品、以降第34回(1970年)まで連続出品
1955年同志社大学経済学部を卒業
1962年第1回現代美術京都秀作展(京都市美術館)に出品、以降第4回(1965年)まで連続出品
1963年初個展「麻田浩作品展」(土橋画廊、京都)
1965年「現代美術の動向 絵画と彫塑」展(国立近代美術館京都分館)出品
1967年第19回京展(京都市美術館)出品、須田賞受賞
1970年万博記念第22回京展(京都市美術館)出品、万博記念賞受賞
1971年第15回シェル美術賞(霞ヶ関ビル・京都市美術館・愛知県文化会館)
出品、美術賞受賞、渡仏、パリに移住
1974年第6回国際絵画フェスティバル(カーニュ・シュル・メール、フランス)出品、国際賞受賞
1975年第18回安井賞展(池袋西武百貨店、高松市立美術館、島根県立美術館)出品、佳作賞受賞
1976年第6回オステンド・ヨーロッパ絵画賞展(ベルギー)出品、第2席受賞
1977年第2回カンヌ国際版画ビエンナーレ展出品、銅版画部門第1等賞受賞
1977年第2回カンヌ国際版画ビエンナーレ展出品、銅版画部門第1等賞受賞
1982年帰国、京都に居住
1983年京都市立芸術大学美術学部西洋画科教授に就任(1985年退任)
サロン・ド・ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール(フランス)出品、
アンリ・ファルマン賞受賞
1985年サロン・ド・ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール(フランス)出品、
プリ・アルフレッド・シスレー受賞
1995年第13回京都府文化賞功労賞受賞、第13回宮本三郎記念賞受賞
個展「麻田浩展 第13回宮本三郎記念賞受賞記念」
(日本橋三越、大丸ミュージアム京都)京都市文化功労者受賞
1997年6月20日、自宅2階のアトリエにて自ら命を絶つ(享年65歳)
2007年「没後10年 麻田浩展」(京都国立近代美術館)開催

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