コレクション・ギャラリー

コレクション・ギャラリー 2013(平成25)年度 第3回展示(計101点)

期間
2013年9月7日(土)〜 10月27日(日)

概説

今年度3回目となるコレクション・ギャラリーでは、引き続き開館50周年を記念して日本画ならびに洋画の名品の数々をご覧頂くとともに、同時期に3Fの企画展会場およびここコレクション・ギャラリーの一部を用いて開催されている「映画をめぐる美術 ― マルセル・ブロータースから始める」展の関連展示も行っています。

 コレクション・ギャラリーに入ってすぐの場所には、「映画をめぐる美術」展企画の起点となっている作家マルセル・ブロータースが、作品《シネマ・モデル》の一篇〈大時計の鍵〉を捧げたドイツの作家クルト・シュヴィッタースのコラージュ作品と、ダダおよびシュルレアリスムの資料を展示しています。ブロータースの制作に大きな影響を与えた、イメージ(視覚情報)とテキスト(言語情報)、さらには一見関連のないイメージないしテキスト同士を意識的に交錯させ、そこに新たな意味の連想を産み出した彼らの仕事にご注目下さい。
 同じく、「映画をめぐる美術」展に関連して、「現代美術セレクション」と題した特集展示を二箇所で行っています。「特集T:写真による表現」では、「静止(Still)」と「運動(Moving)」をテーマにしたジュヌヴィエーヴ・カデューの作品と、グリム童話に由来する「ラプンツェル」のようなよく知られた物語を「引用」し、登場人物などをデフォルメすることで、物語に潜むアクチュアルな問題を炙り出そうとするやなぎみわの作品(平成24年度新収蔵作品)をご紹介しています。また「特集U:操作された現実」で展示されているのは、もともとスライド映写作品として制作されたローター・バウムガルテンの作品です。馴染み深い事物が思いがけない組み合わせで写し取られたその作品は、観る者をイメージの新たな意味づけへと誘い、その行為が繰り返しされることで新たな物語が産み出されます。これらの作品が、「映画をめぐる美術」展をより楽しむ手助けとなれば幸いです。

 日本画では、開館50周年を記念した名品選の第三弾として、第二次世界大戦後の京都で活躍した作家たちを採りあげています。展示は大きく三つのグループに分かれており、まず福田平八郎や小野竹喬など戦前から主に文展(帝展・日展)を中心に活躍した画家たち、次に堂本印象ゆかりの画家たち、そして最後に上村松篁や秋野不矩ら創画会設立に尽力した画家たちの作品をご紹介しています。なかでも、小野竹喬晩年の代表作《奥の細道句抄絵》は、所蔵作品の中でも人気が高く、貸出依頼の多い作品で、10点全てが揃ったかたちで当館で公開されるのは久しぶりのこととなります。

 洋画でも同じく名品選の第三弾として、昭和戦中期の前衛絵画を採りあげました。今井憲一や伊藤久三郎などの身近な事物や情景をデフォルメして組み合わせた作品や、小牧源太郎や長谷川三郎などの抽象的な作品は、造形上の実験である以上に、不穏な時代への無言の異議申し立てであるように思われます。その厭戦の思いは、具象的表現をもつ松本俊介や麻生三郎などの絵画からも感じ取れることでしょう。



  長谷川三郎《蝶の軌跡》1937年
   長谷川三郎《蝶の軌跡》1937年
靉光《花(やまあららぎ)》1942年___
靉光《花(やまあららぎ)》1942年

 工芸では、当館の河井寛次郎コレクションから代表作と、様々な技術を駆使して独自の器形を追求した加守田章二の陶芸作品を展示しました。2005(平成17)年に当館で回顧展を開催した加守田章二のこれらの作品はすべて、平成24年度および本年度の新収蔵作品です。また併せて、2010(平成22)年に他界した京都の型染を代表する伊砂利彦の作品をご紹介しています。屏風やパネルといった支持体に拡がる、型染表現の可能性をご堪能下さい。

主なテーマ
【西洋美術】クルト・シュヴィッタースとシュルレアリスム
      −マルセル・ブロータースからのオマージュ
【日本画】開館50周年記念所蔵名品選−戦後京都の日本画
【特集 I】現代美術セレクションT:写真による表現
【工芸 1】河井寛次郎と加守田章二の陶芸
【工芸 2】伊砂利彦の染色
【洋 画】日本近代洋画の名品V−昭和戦中期の前衛絵画
【特集II】現代美術セレクションU:操作された現実−ローター・バウムガルテン
【彫 刻】屋外彫刻

展示作品
コレクション・ギャラリー 2013(平成25)年度 第3回展示 展示目録

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