コレクション・ギャラリー

コレクション・ギャラリー 2012(平成24)年度 第2回展示 (計146点)

期間
2012年5月16日(水)〜 7月1日(日)

概説

 今年度第2回のコレクション・ギャラリーでは、同時期に3Fで開催されている「井田照一の版画」展に併せて、「版画」「1970年代」という切り口でいくつかの特集展示を行っています。まずは「昭和40年代・日本の現代版画」と題して、井田も受賞作家のひとりである、1957年から1979年まで東京国立近代美術館と国際交流基金が中心となり隔年で開催された「東京国際版画ビエンナーレ」に参加した作家の作品を特集しました。うち吉原英雄は井田の京都市立美術大学時代の恩師であり、吉田克朗は「もの派」の中心作家のひとりとして、井田と同じく複数のメディウムによって「版」の仕事を検証した人物です。また現在京都市立芸術大学教授を務める木村秀樹は、ビエンナーレ出品作であるこの《鉛筆シリーズ》で鮮烈なデビューを飾りました。他の作品と併せた本展示からは、世界的拡がりを見せた1970年代前後の版画制作における熱気と多彩さの一端を垣間見ることができます。これらの作家に対し、「マニエール・ノワール」や「ポワント・セーシュ(ドライポイント)」といった伝統的な版画技法を使い緻密で詩的な作品世界を創造した長谷川潔の作品も特集しています。今回は、類似した主題を油彩を含む異なる技法で制作した作品と併置することで、技法の違いによってどのような制作アプローチの違いが見られるのかを探りました。さらに、工芸のコーナーでは、井田と同時期に京都で学んでいた作家を中心に、1970年代に制作された作品を展示しています。これら作品からは、メディウムの違いはあるものの、井田と同様に既存の芸術分野の在り方に疑問をもって制作を行っていた作家たちの同時代性を感じ取ることができることでしょう。
 日本画では、菖蒲や露草、紫陽花や罌粟の花など、初夏を彩る花々や風景を題材とした作品を展示しました。また、洋画のコーナーでは、文部省美術展覧会(文展、現在の「日本美術展覧会(日展)」)の洋画部門の審査に不満をもった作家たちによって1914(大正3)年に設立された二科会、そしてそれが主催する二科展を中心に活躍した作家を特集しています。これらの作家たちには、里見勝蔵のように戦中から戦後にかけて二科会から離れ、独立美術協会を含む様々な後続の美術団体設立に関わった人も多く見られます。
 最後に、コレクション・ギャラリー入り口付近とスカイライトのある部屋では、来年の開館50周年に向け随時行ってきた、「検証:シリーズ〈現代美術の動向展〉」と題した特集展示をご覧頂きます。本シリーズ第3回となる今回採りあげているのは、1964(昭和39)年の4月4日から5月10日にかけて開催された「現代美術の動向−絵画と彫塑」展です。本特集については、別掲の解説パネルをご参照下さい。この展覧会の出品作家であるオノサト・トシノブについては、長らく当館で収蔵している彼の代表作だけではなく、一昨年新たに寄贈された水彩画を含む小品数点も、併せて展示しています。

主なテーマ
【小企画】 検証:シリーズ<現代美術の動向展>第3回
【日本画】 コレクションに見る初夏
【版 画】 昭和40年代・日本の現代版画
【工芸1】 現代の陶芸と染織―1970年代を中心に
【洋 画】 二科展の作家たち−戦前を中心に
【工芸2】 河井ェ次郎
【版画・洋画】 長谷川潔の版画と油彩画
【彫 刻】 屋外彫刻
展示作品
コレクション・ギャラリー 2012(平成24)年度 第2回展示 展示目録

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