コレクション・ギャラリー

コレクション・ギャラリー 2012(平成24)年度 第1回展示 (計181点)

期間
2012年4月7日(土)〜 5月13日(日)

概説

 今年度第1回のコレクション・ギャラリーでは、桜からツツジにいたる花々が咲き誇り新緑が芽吹く季節に相応しく、各ジャンルの名作を展示いたします。日本画では、今尾景年や竹内栖鳳、村上華岳や入江波光といった京都画壇の作家たちによる春から晩春の情景を描いた優作を、油彩画では安井曾太郎《婦人像》や梅原龍三郎《雲中天壇》など当館の所蔵作品を代表する名作を、主に戦前の具象作品を採りあげてご紹介しています。また西洋近代絵画の中からは、ピカソやマティスの作品とともに、日本で当館のみが所蔵するモンドリアン作品を展示しています。そのうち《コンポジションNo.1》(1929年)は、昨年9月末から今年1月末までローマで開催された大規模なモンドリアン展に貸し出されていたため、当館では久しぶりのお披露目となります。また、日本画家土田麦僊旧蔵のルドン《若き日の仏陀》は、従来のアクリルガラスを低反射ガラスに入れ替え、作品の細部をより良くご覧になれるようにいたしました。工芸については、陶芸分野から富本憲吉の代表作を中心に春の花などをモティーフにした作品を、染色分野から春の情景を主題にした型染作品をご紹介します。また、各地の美術館に纏まった形で貸与されることの多い当館の河井ェ次郎作品ですが、久々に代表作を一同に集めて展示しています。
 名作選と併せて、いくつかの特集展示も行っています。まずコレクション・ギャラリーに入ってすぐの空間では、仙台出身で具体美術協会会員として活動し、詩・音楽と物理学・数学が共振する静かなエネルギーに満ちた菅野聖子の独自の作品世界をご紹介しています。ここに展示されている当館所蔵作品《いたるところ微分不可能な関数族のみたす方程式(2)》は、1988年に55歳で急逝した彼女の最後の作品です。またそれに続く空間では、今年で没後40年をむかえる三上誠の作品を特集しています。戦後日本画の革新を目指したパンリアル美術協会に参加した三上は、終生肺結核に苦しめられ、病気と闘う身体とそれを取り巻く宇宙観を身拓などの手法を用いながら表現しました。全く出自の異なる作家でありながら、菅野と三上両者には、内なるものと遙かなるものを作品の中で取り結ぼうという意欲が共通して感じられます。
 また現在3Fで開催中の企画展「すべての僕が沸騰する−村山知義の宇宙−」展に関連し、「村山知義と同時代の日本の『前衛』」という小企画展示を、当館のこれまでの展覧会活動と作品収集活動を踏まえて行っています。本展示については、別途解説をご一読下さい。また、造形作家としてだけではなく、現代演劇・舞踊においても大きな足跡を残した村山知義に関する本展に併せて開催される、やなぎみわ演劇プロジェクト第三部「1924人間機械」にちなんで、やなぎみわ《案内嬢の部屋T》を展示し、「演ずる/変装/仮面」をテーマに写真作品を展示しました。とりわけ、1980年代後半に顕著になる「コンセプチュアル・フォトグラフィ」の動きを先取りするものとしてミシャ・ゴーディンやラルフ・ユージン・ミートヤードらの作品を当館のギルバート・コレクションから纏めてご紹介します。
   三ヶ月間の空調設備全面改修工事に伴う閉館の際は、皆さまにご不便・ご迷惑をおかけいたしました。1986年竣工の当館建物も建設からすでに25年を過ぎ、抜本的なメンテナンスが必要な時期となっています。今後も電気設備の改修工事などに伴い閉館する場合がございますが、何とぞご理解賜りますようお願いいたします。

主なテーマ
菅野聖子の世界
村山知義と同時代の日本の「前衛」
没後40年三上誠特集
コレクションに見る春〜晩春
コンセプチュアル・フォトグラフィの彼方へ
近代日本の陶芸と染織
春の名品選−戦前の具象作品
河井ェ次郎
西洋近代絵画名品選
屋外彫刻
展示作品
コレクション・ギャラリー 2012(平成24)年度 第1回展示 展示目録

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