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コレクション展コレクション・ギャラリー 2010(平成22)年度 第5回展示 (計144点)

コレクション・ギャラリー

コレクション・ギャラリー 2010(平成22)年度 第5回展示 (計144点)

期間
2011年3月2日(水)~ 5月22日(日)

前期:3月2日(水)~4月17日(日)
後期:4月19日(火)~5月22日(日)

概説

 今回のコレクション・ギャラリーは、2010(平成22)年度第5回となりますが、実質的には2011(平成23)年度第1回でもあります。
 3月から5月にかけての岡崎界隈は、疎水の桜や蹴上のツツジそして東山の新緑と共に多くの人々で賑わいます。その時期に相応しく、日本画、工芸、洋画のコーナーでは、春から初夏にかけての名品を展示しました。このうち日本画ならびに染織作品は、前期3月2日(水)~4月17日(日)と後期4月19日(火)~5月22日(日)で展示替を行います。また、河井寬次郎コーナーも新年度に合わせ展示作品を一新しました。
 3Fで開催中の「パウル・クレー-おわらないアトリエ」展では、作品制作のプロセス、つまりクレーが「物理的にどのように作品をつくったか」がテーマとなっています。それに関連し、日本画のコーナーでは作品の大下絵をご紹介しています。下絵の段階で画家は、描いては消すのではなく、新たに描き直した断片を重ね貼りしていくことで画面を仕上げていきます。その断片の重なりから、私たちは画家の試行錯誤を具体的に追うことが出来ます。クレーはまた、自らの独創的な作品制作プロセスの中で、様々な道具を手作りしています。その画材類の一部を展覧会でご紹介していますが、それに因んで、長谷川潔の版画作品とその道具類を展示しました。マニエール・ノワールやビュランといった極めて繊細な描線に支えられた長谷川の作品が、さまざまな太さや長さの刃物類などから生み出される様子を思い浮かべることが出来るでしょう。
 さらにスカイライトの部屋では、クレー展に関連し、「切断の時代-近代美術におけるコラージュの諸相」と題し、20世紀美術の大きな特色である「破壊的=創造的」な制作方法を特集しました。フォト・コラージュやフロッタージュ、切り絵作品など様々な手法とその意義を、クルト・シュヴィッタースやハンナ・ヘッヒ、マックス・エルンストやハンス・アルプそしてアンリ・マティスらの作品を通して考えると同時に、それらとクレーの切断・再構成/分離の手法がどのような関係にあるかを探ります。4月30日(土)には、クレー展の関連イベントとして、本テーマについて広島大学大学院准教授河本真理氏にご講演頂きます。
 併せて、クレーと同時代の作家たち、ピカソやマティスの油彩画とともに、クレーとは異なる抽象絵画への道を歩んだモンドリアン、クレーと同じスイス出身でバウハウス・ヴァイマールの同僚であったイッテン、ミュンヘンの芸術家グループ『青騎士』の展覧会に共に出品していたブルリュークの作品を展示しています。
 通常美術館では完成した作品が展示されており、作品が完成にいたるプロセスを見ることはできません。つまり作品制作プロセスを展覧会のテーマにするということは、本来その場で「見えないもの」を「見えるように」しなければならないのです。そのことはひいては私たちに、作品を「見る」とはどういうことか、という疑問を突きつけます。その問題意識を写真という媒体で表現した、トマス・シュトゥルートとカレン・ノールの作品をコレクション・ギャラリー出入口付近に展示しました。

主なテーマ
日本画の下絵にみる 「きったりはったり」
春の名品選 「コレクションにみる春」(前期)
春の名品選 「コレクションにみる晩春」(後期)
長谷川潔のアトリエ
近代工芸「春の名品」
春の名品選
近代絵画名品選
「写す/見る―画」
切断の時代-近代美術におけるコラージュの諸相
屋外彫刻
展示作品
コレクション・ギャラリー 2010(平成22)年度 第5回展示 展示目録(前期)
コレクション・ギャラリー 2010(平成22)年度 第5回展示 展示目録(後期)


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