コレクションに見る「前衛」

期間
平成19年6月6日(水)〜 7月16日(月・祝)

展示作品
コレクションに見る「前衛」 展示目録

当館は、1963(昭和38)年の開館以来、国内外の近現代工芸作品を中心としつつも、近代京都画壇で活躍した日本画家の代表作や、浅井 忠・安井曾太郎・梅原龍三郎をはじめとした、京都および関西ゆかりの洋画家たちの油彩画など、ジャンルを超える多様な作品の収集につとめ、現在その点数は、8000点を超えています。

そして同時に「近代美術館」としてのコレクションを形成する過程においては、近現代美術史のもっとも顕著な動向といって過言ではない、いわゆる「前衛」美術作品の収集も、当然のことながら大きな柱となっています。

工芸では、八木一夫や鈴木 治らをはじめとした「前衛」陶芸作品の収集はいうまでもなく、最近のコレクション・ギャラリーでは、「日本画革新の動き」と題して、伝統的な「具象」表現を超え新たな創造を目指そうとした、戦前・戦後の日本画の動きも、たびたび紹介して参りました。

たとえば、1938(昭和13)年に結成された歴程美術協会、さらに1949(昭和24)年に結成された「パンリアル美術協会」などが、そうした「日本画革新の動き」を象徴する、もっとも興味深い動向といえるでしょう。当館は、この傾向を示す作品についても数多く収集しています。

加えて当館では、戦前の京都における独立美術協会で活動した北脇 昇や小牧源太郎、今井憲一など、シュルレアリスム(超現実主義)系の作例をはじめ、関西を基盤とした普門 暁や長谷川三郎、そして、戦後「具体美術協会」の指導者となった吉原治良などの、興味深い戦前作品の収集でも、よく知られています。

また、とりわけ近年評価の高い村山知義の代表作《サディスティッシュな空間》や、その村山が編集発行した雑誌『マヴォ』のほか、すでに当館に一括して収蔵されている旧・川西 英の文献・資料コレクションにも、恩地孝四郎らの『飛行官能』など、貴重なものが多数含まれ、さらに昨年から、竹久夢二や前田藤四郎らの創作版画によって構成された、同じく川西 英旧蔵の実作品のコレクションの収集にも着手いたしました。

そして本年には、ブルーノ・タウトの来日を演出した建築家・上野伊三郎と、その妻で京都市立美術大学でも教鞭をとったリチ・上野=リックスの作品・資料を、京都インターアクト美術学校のご好意により一括ご寄贈いただいたことも、当館の「前衛」コレクションをさらに特色あるものとしています。

(主任研究員・山野英嗣)

このページの先頭へ