コレクション・ギャラリー

平成19年度 第4回コレクション・ギャラリー(計100点)

期間
平成19年7月20日(金)〜9月17日(月・祝)

主なテーマ
【小企画】 新制作協会の作家たちと1960年代の京都
【日本画】 麻田辨自・麻田鷹司の日本画
【特集展示】「撮影者の視点―The Eye of the Observer」

展示作品
平成19年度 第4回コレクション・ギャラリー 展示目録

同会場展示
「文承根+八木正 1973-83の仕事」展より、文承根の作品24点
文承根+八木正 1973-83の仕事 展示目録
※八木正の作品は1Fロビーに展示いたします。

特集展示 「撮影者の視点―The Eye of the Observer」

平成19年7月20日(金)〜9月17日(月・祝)

この展示は写真に写された対象よりも、その対象にカメラを向けた撮影者に着目し、各々の撮影者がどのような視点で被写体に対峙したかという観点から構成されています。現在、写真が作品として美術館に収蔵される場合、撮影者が写したシーンの単なる観察者としてではなく、そのシーンのいわば「参加者」としての立場を要求される傾向にあると言えます。特に一見ストレートな写真、つまりドキュメンタリー性の強い写真が美術作品と見なされる際は、写真メディア自体への自覚や自己批判など、撮影者自身による視点の批評性が問われるケースも少なくありません。

今回は当館のコレクションの写真作品のなかから、21人の写真家による1860年代〜1970年代までの作品41点を、大別して6つのカテゴリー(群集、気配、象徴、形態、光と影、そしてブラーヴォ)毎に展示しています。マニュエル・アルヴァレス・ブラーヴォの作品を集めた一画を除いて、その他の分類と配列はあくまで暫定的で、少なからず感覚的です。よって多分に恣意性を含んでいます。

さまざまな社会情勢や文化的背景の下に、撮影者の興味・関心によって切り取られたシーンは、それだけで充分に個性的である種のオリジナリティを保持しているように見受けられるかもしれません。

しかし一方で、写真はカメラという光学器械のレンズを介して成立する、いわば「機械の眼」によるメディアであるとも考えられます。つまり被写体や撮影方法の選択は個別に異なるとしても、それ以外は誰がその被写体を写しても、表層として大きな差異は生じないと言えるかもしれません。例えば絵画や彫刻などの従来の美術作品と比較して、作家の個性や特質の反映は相対的に少ない媒体であると想定されます。

それぞれのシーンが現実世界の、非常に限定された瞬間の出来事や状況の一部分を捉えたに過ぎないとすれば、写真は事実であり、かつ真実ではないという中間地点に留まっていると言えます。各々の撮影者の立ち位置から、現実の一部分を切り取った写真は、その中間地点において、現代の鑑賞者に多様な見方を提供するだけではなく、私たち見る者の立場や視点をも問いかけているかのようです。

(学習支援係・豊田直香)


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