コレクション・ギャラリー

平成18年度 第3回コレクション・ギャラリー(計151点)

期間
平成18年6月6日(火)〜8月6日(日)
主なテーマ
【特集展示】パリ―日本
【日本画】 夏の風物
【工 芸】 現代工芸
【西洋美術】海外の近代美術
【版 画】 長谷川潔の油彩と版画
【小企画】 藤田嗣治と二科・九室会の画家たち
展示作品
平成18年度 第3回コレクション・ギャラリー 展示目録

 前回の「コレクション・ギャラリー」では、「1920年代の日本」をテーマに特集展示を企画しましたが、今回は「生誕120年記念 藤田嗣治展」が開催されているのを機に、小企画「藤田嗣治と二科・九室会の画家たち」に加え、館所蔵作品によって、藤田ゆかりの「パリ−日本」をテーマとした展示を計画いたしました。
 藤田嗣治は、戦前戦後のパリにあって、いうまでもなく数多くの日本人画家たちと交流しましたが、とりわけ戦前もっとも親しくしていたのが、川島理一郎でした。残念ながら当館は、この川島の作品を所蔵していませんが、たとえば岡鹿之助(1898–1978)などは、1925(大正14)年2月パリに到着早々、藤田を訪ねています。そして岡は、「絵について、パリでの生活について、また、フランス画壇の状況について、藤田から学ぶところが多かった」と語り、岡はやがてパリのドランブル5番地で、藤田が使っていた画室に住まうことにもなります。当館の岡鹿之助の《雪の街》(7月20日まで陳列)は、今もパリで制作を続け、藤田と親しかった画家・村山 密(しずか)氏がかつて所蔵されていたものです。
 この他にも、藤田と親交のあった画家たちには、宮本三郎(1905–1974)、岡田謙三(1902–1982)や川端 実(1911–2001)らがいました。また、金山康喜(1921–1959)は、東京帝国大学で経済学を修め、そのかたわら猪熊弦一郎に絵を学び、パリ・ソルボンヌ大学にも留学し、1953年アンデパンダン展に出品した作品がフランス政府買い上げとなって注目された異色の存在ですが、藤田はこの金山を、息子のように可愛がったともいわれています。さらに藤田とともにパリ周辺の教会などにもよく足を運び、晩年の藤田夫妻ともっとも親しく、藤田がその臨終近くに「君は僕の戦後の代表作を全部知っているから」と告げ、作品リストの作成まで依頼していたのが、田淵安一(1921– )でした。
 こうして藤田は、戦前戦後を通じて、日本の洋画家たちの多くとも交流しましたが、その反面、なぜか戦前のパリにあった佐伯祐三や前田寛治などとは、接点はなかったようです。しかし、藤田とともにキキをモデルにしたマン・レイや、日本の中山岩太などの写真家たちとは、表現のジャンルを超えて親しく交友、互いの創作展開にも影響を及ぼし合ったことも見逃せません。
 このほか今回の特集展示では、パリに学んだ洋画家たちや、パリで活躍した海外の写真家や画家たちの作品を集め、藤田が体験した「パリ−日本」の雰囲気の一端を味わっていただければと思います。



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